総務省がソフトバンクから聴聞 回線接続拒否 協議再開命令か

 格安スマートフォンなどを手掛けるMVNO(仮想移動体通信事業者)の日本通信が、ソフトバンクに回線接続に向けた協議を拒否されたとして、総務省に協議再開命令を申し入れた問題で、同省は16日、ソフトバンクから拒否した理由などについて30日に聴聞を行うと発表した。聴聞は協議再開の命令に向けた手続きの一つで、ソフトバンクに対して協議再開の命令が年明けにも出される公算が大きくなった。

 同省の発表などによると、ソフトバンクは日本通信に対し、SIMロックを解除していないスマホとの回線接続には応じないと回答。日本通信は9月29日、端末を限定しない接続に向けた協議の再開を求めて総務省に裁定を申し立てていた。

 電気通信事業法では、MVNOなどによる接続申し入れを携帯事業者が拒否できるケースとして、MVNOが回線設備の改修を経済的、技術的にできない場合や、携帯事業者の利益がMVNOとの接続によって不当に害される場合などを挙げている。同省は今回、いずれの場合にも該当しないとして、ソフトバンクから聴聞を行うことを決めた。

 聴聞は、電気通信紛争処理委員会が指名した同委員会の委員が通常、主宰者となって行う。

 聴聞の開催について、ソフトバンクは「現在、協議再開命令申請の手続きの中で対応しているため、コメントは控える」と発表した。