【高論卓説】iPhone7は電子マネー普及の好機 現金主流の日本、モバイルスイカは伸び悩み (1/3ページ)

店頭に並んだiPhone7
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 最近電子マネーに関する記事をよく目にするが、米アップルの新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)7」の発売がきっかけのようだ。非接触ICカード「フェリカ」を搭載し、電子マネー「Suica(スイカ)」などに対応したアイフォーン7が9月16日に発売され、10月25日からは電子決済サービス「アップルペイ」に登録すれば、スイカの電子マネーサービスと駅の自動改札機でモバイルスイカ機能が利用できるようになったとのことだ。

 スイカは2001年にJR東日本が開始し、07年には関東の私鉄・バス事業者が発行する「PASMO(パスモ)」との相互利用が可能となり普及が加速した。14年4月に消費税が5%から8%に引き上げられた際には、首都圏などの特定区間ではICカードを利用すると1円単位の運賃設定になるのに対し、券売機で切符を購入すると端数が切り上げられて10円単位となった。この運賃の差額も利用者増を後押ししたようだ。

 従来型携帯電話(ガラケー)で利用できるモバイルスイカサービスは06年に、アンドロイドOS(基本ソフト)を搭載したスマホ向けのモバイルスイカサービスは11年に開始されているが、利用者は伸び悩んでいた。一部のスマホにしかフェリカが搭載されておらず、日本のスマホのシェア4割以上を占めるといわれるアイフォーンでは利用できなかったためだ。

モバイルスイカの会員数は381万人にとどまっている