総務省は、スマートフォンの「実質0円」などの過剰な値引きの見直しを求めるガイドライン(指針)を年内に強化する方針を固めた。週末など期間限定で増額している端末購入補助を禁止。「iPhone(アイフォーン)7」などの最新機種が、「6」など前世代の中古価格と同程度になるように、端末購入補助をさらに少なくすることを携帯大手に求める。
総務省は、主に携帯事業者を乗り換える利用者向けの行き過ぎた値引きを抑えることで、利用者全体の料金値下げにつながることを期待して端末購入補助の見直しを進めているが、値上げされる端末も出てくるとみられ、利用者からは反発も予想される。
端末購入補助の適正化などを議論してきた7日の総務省の有識者会合では、意見のとりまとめ案に、期間限定の端末購入補助を禁止することが盛り込まれたが、有識者から「期間限定の期間を明確にすべきだ。土日限定で増やすのを抑えるべきでは」との意見が出された。
また、現在の指針で、最新端末の購入には「合理的な額の負担を求める」とされていることについて、有識者や総務省幹部から具体的な基準がないことに苦言が出され、「最新端末の価格は、2世代前の下取り価格を下回ってはいけない」という案が出された。
アイフォーンの場合、最新の「7」が1万円程度で販売されているが、中古の「6」は1万7000~2万1600円で携帯事業者から下取りされており、最新端末の方が、前の世代よりも安くなっている。
総務省は、現在の指針をよりわかりやすくする有識者らのこうした意見を盛り込んで、年内に意見公募を実施した上で指針を改正する。
一方、総務省は、携帯端末を自社回線以外で使用できなくするSIMロックの期間を、現在の180日から100日程度まで短縮するように携帯3社に求める。9日の有識者会合の意見を踏まえて、SIMロックの指針も改正する方針だ。