アマゾンジャパンは28日、個人や企業などがアマゾン内で商品を売る「マーケットプレイス」の出店者が、有料のプライム会員向け商品として自社商品を配送できるサービス「マケプレプライム」を31日から開始すると発表した。
アマゾンのプライム会員にとっては、配送料無料で翌日か当日に受け取れる「お急ぎ便」の対象商品が大幅に拡大するメリットがある一方、出店者支援を強化することで、出店者によるモール型EC(電子商取引)事業を運営する楽天との競争を優位に進める狙いもあるとみられる。同社セラーサービス事業本部の星健一事業本部長は「利用者と出店者にアマゾンの利点の物流をPRできるのが一番大きい」と話している。
アマゾンの商品は、直販のもの、出店者がアマゾンの倉庫に預けて配送も任せるもの、マーケットプレイスの出店者が自社で配送するものの3種類ある。これまでマーケットプレイスの商品は、プライム会員向けのお急ぎ便扱いにすることはできなかったが、出店者がマケプレプライムを活用することでお急ぎ便対象となり、利用者は、注文後の配送状況も確認できるようになる。ただ、事業者は商品の96%をお急ぎ便として届ける必要があり、一定期間審査した上で、96%に満たなかった場合はマケプレプライムから除外される。
商品を直販するイメージが強いアマゾンだが、2002年から始めたマーケットプレイスで扱う商品は増え続けている。全世界ではマーケットプレイスで扱う商品数は直販の数とほぼ同じになったという。