東芝の綱川智社長は18日、技術や研究開発についての説明会で、業績の悪化で見送っていた大学生(院生含む)の新卒採用を2018年3月卒業見込みから2年ぶりに再開する方針を明らかにした。リストラ効果で業績が上向いており、採用の再開で技術開発に必要な人材を確保して技術力などを高め、将来の成長につなげる。
綱川社長は説明会の冒頭であいさつし、「ユニークな技術を核にして新生東芝を実現する」などと指摘し、研究開発の重要性を強調した。採用する具体的な人数は今後、詰める。
不正会計問題が発覚した東芝は、16年3月期連結決算では営業損益が7087億円の赤字に陥り、東芝本体の17年3月卒業見込みの大卒採用を見送った。さらに東芝は医療機器子会社の東芝メディカルシステムズ(栃木県大田原市)などの資産売却を進め、1万4000人超の人員削減を断行した。今年9月中間決算は700億円の営業黒字を見込んでおり、採用の再開に踏み切る。