経営再建中のシャープは12日、企業向けビジネスの事業説明会を開き、工場や私有地など広い敷地を監視する車型ロボットを来年初頭から米国で発売すると発表した。5台のカメラで周囲を撮影し、決められたルートを自動走行する。米国で人件費が上昇傾向にあることから、警備費用の削減への需要を取り込む。
ロボットが撮影した画像は、無線で離れた場所に送ることができる。コピーやファクスの機能を持つオフィス向け複合機事業で培った機械制御や画像処理の技術を使った。
車型ロボットなどを活用し、他社に工場の生産管理や監視システムを提供することを中国で検討していることも明らかにした。親会社の台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と連携し、早期の事業化を目指す。
複合機事業に関しては2016年度下期に、利益率の高い高価格帯分野で欧米を中心に新製品を投入する。低価格帯では鴻海の販路を活用し、中国や東南アジアでの販売拡大を目指す。
複合機事業の売却を検討していると一部報道があったことに対しては、中山藤一ビジネスソリューション事業本部長が「一切ない」と否定した。