ソニーは8日、携帯型音楽プレーヤー「ウォークマン」の最上位モデル「NW-WM1Z」など高音質を追求したオーディオ機器の旗艦モデル4機種を10月29日に発売すると発表した。NW-WM1Zは新開発したフルデジタルアンプなど高音質を追求した結果、市場想定価格が30万円(税別)とウォークマン史上最も高価なモデルとなった。
1本の端子で左右の音声信号の混合を防ぐ業界標準のバランス端子を初めて採用したほか、ヘッドホンの最大出力も大幅に向上。アンプは「ネイティブ再生」機能により、デジタルでありながら自然の音源に近い再生を実現した。
シャーシも音質にこだわり、抵抗値の低い無酸素銅を削り出して加工。金メッキを施したため、455グラムとずっしりとした重量感だ。下位モデルの「NW-WM1A」も同じアンプを搭載したアルミシャーシで、市場想定価格は12万円。
昭和54年に発売されたカセットテープ利用の初代ウォークマンは3万3千円で、平成27年発売の最上位モデルは市場想定価格が11万880円。一挙に3倍近く高価なウォークマンを投入するが、「音にこだわる若い層にも需要が見込める」と期待している。
このほかオーディオ機器の旗艦モデル「シグネチャーシリーズ」として発売するのは、薄膜マグネシウム振動板を採用し、通気の最適制御による邪魔な空間共鳴を排除したステレオヘッドホン「MDR-Z1R」(市場想定価格20万円)と、アナログ回路による信号補正で大出力時のデジタルノイズを低減させて豊かな音質を楽しめる据え置き型ヘッドフォンアンプ「TA-ZH1ES」(希望小売価格27万8千円)。