昨年発売したスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の売り上げが伸び悩んでいることが要因だ。世界販売台数が前年同期比15%減の4039万9千台で2期連続で減少した。地域別では、中国地域が33%の大幅減。現地メーカーが比較的安価かつ高性能なスマホの量産に成功しており、打撃をうけた形だ。
一方で根強い人気を誇る日本国内では23%増。アップルは8月2日には日本企業865社から年間3兆円以上の部品などを仕入れていることを明らかにした。アップルはこれまで、取引の状況をほとんど公開していなかったが、「親日」を演出して日本での売り上げ拡大を目指しているとみられる。
こうしたアップルの苦境はシャープの事業を直撃している。4~6月期の液晶事業は37・7%減の1170億円。液晶事業は毎年1兆円近くを稼いでいたが、今年度は大幅に割り込むこととなりそうだ。カメラ部品など電子部品も同45・1%減の750億円だった。
すでにシャープは米アップルへの液晶供給先としての地位は、ジャパンディスプレイ(JDI)や韓国LG電子に押され、3位に甘んじている。中国メーカー向けの液晶パネルの販売競争は激化しており、シャープは当面、アップルへの売り上げ拡大を目指すことになる。