三菱東京UFJ銀行と日立製作所は22日、ITを使った金融サービス「フィンテック」による電子小切手の実証実験をシンガポールで始めたと発表した。「ブロックチェーン」と呼ばれる仮想通貨に使う技術を活用して、電子小切手の決済システムを2018年にも実用化する計画だ。
メガバンクや日本の大手メーカーによるフィンテック事業の海外展開は初めて。
両社はネットワークで結んだ複数のコンピューターが取引記録を管理するブロックチェーン技術を活用。実験では三菱UFJが小切手の発行や決済を担当。日立グループのシンガポール内の複数拠点で小切手の受け取りや取り立てをする。
手書きの小切手を交換所で処理するこれまでの仕組みでは2日ほどかかっていた決済期間が、新システムでは即日決済に縮められる。取引記録の改竄(かいざん)が難しくなり、手書きの小切手をやり取りするより、低コストで決済できるという。
三菱UFJは独自の仮想通貨「MUFGコイン」の開発などブロックチェーン技術の応用を進めている。