半導体大手のルネサスエレクトロニクスが同業の米インターシルを買収する方向で最終調整していることが22日、分かった。買収額は最大で3000億円。省電力技術に強みを持つインターシルを取り込み、車載用半導体事業を拡大するのが狙い。大規模なリストラを実施し、経営危機を脱したルネサスは今回の買収を契機に成長戦略を推進する。
インターシルは消費電力を抑える半導体を主力製品とし、車載や産業機器、通信、航空宇宙など幅広い分野に供給する。2015年の売上高は5億2200万ドル(約520億円)で、欧米やアジアの自動車メーカーに販路を持つ。従業員は約1100人。
車載用半導体は今後、自動運転などの普及で世界的に需要が拡大する見通し。ルネサスは今回の買収で、製品ラインアップを拡充し、海外の車載用半導体事業を強化したい考えだ。
車載用半導体市場は昨年から大型再編が起こり、ルネサスは世界シェア首位から3位に後退しており、インターシルの買収で巻き返しを図る。