植物由来素材でCO2削減、環境配慮ペットボトル サントリーホールディングス (3/3ページ)

軽量化を進めてきたサントリー天然水のペットボトル
軽量化を進めてきたサントリー天然水のペットボトル【拡大】

  • 植物由来原料100%のペットボトル原料をつくるための実証プラント

 キャップやラベルも

 環境に配慮しているのはペットボトル本体だけではない。サントリーはキャップにも植物由来の原料を採用している。

 キャップはポリエチレンと呼ばれる石油由来の汎用プラスチックでできている。このキャップに世界で初めて植物由来原料を30%使用することに成功。現行のキャップに比べてCO2排出量を21%削減できるという。

 今春から九州熊本工場の「サントリー阿蘇の天然水」(550ミリリットル)に導入を開始。順次、「サントリー天然水」ブランドに展開していく計画だ。

 また、「サントリー天然水」はラベルにも環境配慮の工夫を凝らしている。12年にはラベルの厚さを16マイクロメートルから12マイクロメートルへ、当時として国内最薄にした。さらに再生PET樹脂を80%使用するなど環境に配慮している。

 回収したボトルをペットボトルとして再生する「ボトルtoボトル」も実用化。11年5月に「サントリー ウーロン茶」の2リットルに採用した。

 環境に配慮した飲料ボトルは、製造コストが高くなる場合が多い。それでもサントリーHDは、消費者の環境意識が高まるなか、環境技術で製品の差別化につなげる考えだ。(大柳聡庸)