佐藤和則社長によると「市場は急速に拡大している」。その原動力となっているのが発券端末用の呼び出しスピーカー。障害者への配慮を義務づける障害者差別解消法が今年4月に施行されたことで、民間企業も努力義務があり、難聴者にとって不安のない音環境の整備が金融機関の間で進められているからだ。
こうした流れを踏まえ、金融機関以外にも郵便局や駅、公共施設などへの普及を目指す。また、証券会社による顧客向けセミナー用などに使用される需要も顕在化しており、営業活動を推進する。
今後の課題として掲げているのが「意匠を小さくすること」(佐藤社長)。これによってATM(現金自動預払機)や介護ロボットなどに埋め込むことができ、難聴者の利便性が向上する。一方、自動車部品メーカーとは自動車搭載用スピーカーの研究に着手。実用化すればクラクションなどの音を車内に取り入れやすくなるほか、自動運転時のコミュニケーションツールとしても機能させることもできる。
さらに低価格化を実現することにより、家庭内で気軽に利用できる環境を提供する考えだ。