東芝と米ウエスタンデジタル(WD)は15日、記憶用半導体「NAND型フラッシュメモリー」を製造する四日市工場(三重県四日市市)で会見し、今後3年間で約1兆4千億円を投資する方針を明らかにした。平成29年に素子を積層し、容量を増やす次世代の3次元(3D)メモリーの新工場を建設する。量産体制を確立し、先行する世界シェア首位の韓国サムスン電子を追い上げる。
東芝とWDは同日、四日市工場で新第2製造棟の完成式典を開いた。東芝の綱川智社長は「新棟で3Dメモリーへの切り替えを加速させたい」と意気込みを語った。
NAND型フラッシュメモリーは回路の微細化で容量を増やす技術で各社が競い合ってきた。だが、微細化が限界に達したため、競争のステージは3Dに移行している。東芝は29年度に3Dの生産比率を全体の5割、30年度に8割以上に引き上げる計画だ。
一方、サムスンは1年半前に3Dの量産化に成功した。昨秋から3Dの量産を本格化させ、東芝・WD連合を上回る設備投資を行う方針。巻き返しの成否が東芝の経営再建の行方も左右しそうだ。