ただ、訪日客の買い方は変化してきた。三越銀座店によると、4月以降は宝飾品や時計といった高額商品の売上高が前年同月に比べマイナス。一方、化粧品は好調で、子供服も人気だ。来店者数は1割ほど増えたが、客単価は2割ほど減った。
ある免税店の関係者は「定番のたばこや酒類が伸びない」と話す。訪日客はたばこなどを空港での待ち時間に購入し、日本での滞在時間は名所見学などの体験型消費に振り向けているという。
全国百貨店の4月の免税品売上高は3年3カ月ぶりに前年実績を下回った。訪日客1人当たりの購買額は15.9%減少した。年明け以降の円高で、訪日客にとって日本での買い物が以前より割高になったことが響いた。
中国政府が4月、国内での買い物を促すため、海外から持ち込む商品への関税を引き上げたことも影響している。高級腕時計の場合、税率は30%から60%に上がった。百貨店業界では「爆買い需要はピークを過ぎた」と厳しい見方も出ている。