三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険が自動運転車の無人走行実験を支援する保険を7月に発売することが25日、分かった。来年にも公道での無人実験が始まるため、企業などに対して事故の損害を補償することにより、開発をサポートする。両社によると、無人実験に対応できる保険は初めて。
政府は、2020年の東京五輪・パラリンピック会場で無人の自動運転車を公共交通機関として使えるよう、実用化を目指す方針を決めている。
両社は保険の契約先として、自動車メーカーやベンチャー企業、大学などの研究機関を想定している。実験中に他人にけがをさせたり、工場などの設備を壊したりした損害を補償する。誤作動のほか、サイバー攻撃を受けて暴走しても補償の対象になる。
昨年12月に自動運転の実証実験を補償するプランを発売したが、運転者が車に乗っている場合しか保険の対象にしていなかった。新たなプランでは、運転者が車に乗らず、遠隔地から制御する場合の事故も補償する。保険料は実験の内容により個別に決める。
また、グループの「インターリスク総研」が開発企業などへのサービスを始める。無人実験に向けた社内規定の整備や、実験の現場となる地域との調整などに協力する。
両社は、MS&ADホールディングス傘下の損保会社。