【三菱自不正】「抜本改革のため身を引くべき」発覚1カ月での社長辞意 日産から開発部門トップ迎える方針

2016.5.18 20:46

不正に自動車の燃費データ計測をした三菱自動車の会見で辞任を発表した相川哲郎社長(左)=18日午後、東京都千代田区の国交省(宮崎瑞穂撮影)

不正に自動車の燃費データ計測をした三菱自動車の会見で辞任を発表した相川哲郎社長(左)=18日午後、東京都千代田区の国交省(宮崎瑞穂撮影)【拡大】

 三菱自動車の燃費データ不正問題は発覚から約1カ月を経て、相川哲郎社長が辞任を決める事態に発展した。不正が軽自動車4車種から主力のスポーツ用多目的車(SUV)などに拡大する中、経営責任は避けられないと判断した。当面は益子修会長が社長を兼務し、日産自動車との資本業務提携の調整などを進める。

 相川社長は18日の記者会見で、「開発部門の抜本的な改革のために身を引くべきだと考えた」と述べた。

 4月の問題発覚後、相川社長は不正への関与を否定し、「再発防止に道筋を付けるのが当面の使命だ」と強調。弁護士らの特別調査委員会が7月にも調査結果を報告するのを待って、進退を判断する意向だった。

 だが、不正で主力軽「eK」シリーズが生産・販売を停止し、三菱自全体の受注は問題発覚前から半減した。軽を生産する水島製作所(岡山県)の従業員1300人も自宅待機に追い込まれ、経営への影響は急速に広がっている。

 さらに、社内調査で平成3年から国内法令と異なる走行法や机上計算を基に燃費を測定してきたことも判明した。18日の報告ではSUV「パジェロ」「RVR」のデータ改竄も明らかになり、不正の根深さを印象付けた。

 相川社長は辞任決断の理由として日産との提携合意を挙げ、「改革には外部の血が必要だ」と語った。三菱自は相川社長らの辞任に伴い、日産から開発部門のトップを迎える方針。

 経営陣にとどまる益子会長は補償内容や提携をまとめる考えだが、「新体制に引き継ぐまでが役割だ」と年内の退任を示唆した。新体制は日産が派遣する会長らが中心になる見込みで、日産主導の経営再建がより鮮明になりそうだ。(会田聡)

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