2016.5.14 05:00
燃費データ不正問題で、国土交通省への報告を終え会見に臨む三菱自動車の益子修会長(右)と相川哲郎社長=11日、東京都千代田区【拡大】
(2)実体を理解しないトップマネジメントが増加
一方、逆説的であるが、会長、社長は、部課長が従順であればあるほど、どちらかと言えば横暴になりがちであろう。たとえ最初はそのような人でなくても、長く権力の座にあれば次第に人格が変化することは考えられる。
さらに、トップマネジメントが企業の実態を把握していればまだ良いが、それを理解しないまま、利益重視、シェア重視、技術トップに立てなどと勇ましいことを言うケースはないであろうか。よく仄聞(そくぶん)するのは、新しいものを開発するとき、開発人員や開発費用など自社の体力を把握しないまま、強気で指示を出すケースであろう。
(3)抽象的なコミュニケーションが発生
このような状況になると、トップマネジメントと部課長クラスの間で、コミュニケーションが具体的でなく、抽象的になる傾向がある。例えば「なんとかしろ!」「どうにかしろ!」などである。
これはある意味、指示かもしれないが、実行部隊からすれば問題解決ではなく、責任転嫁をして逃げているに等しくなる。その結果、問題があるにもかかわらず、とりあえず検討する、先送りする、最悪の場合、不正を行うこととなる。