NTTドコモが28日発表した平成28年3月期連結決算は、携帯電話事業の回復や新規事業の増収効果で営業利益が前期比22.5%増の7830億円と大幅に伸び、4期ぶりの増益に転じた。22.0%減と大きく落ち込んだ前年の営業減益をほぼ帳消しにした。
売上高は3.3%増の4兆5270億円、最終利益は33.7%増の4100億円。増収は3期ぶり。
主力の通信事業は、他社に流出した携帯電話契約数が前期の38万件から10万件に改善し、新規契約から解約数を引いた純増数は3割増の437万件と好調に推移。端末販売数は231万台増の2606万台で、営業利益も7089億円(728億円増)に回復した。
新規事業やコンテンツサービスなど「スマートライフ領域」の営業利益は計画より87億円多い787億円に達した。
加藤薫社長は記者会見で「(24年6月の就任以来)初めての増収増益決算となった。30年3月期の中期経営計画が29年3月期に前倒しできる」と説明。26年に導入した新料金プランによる1700億円規模の減収の影響から脱却したと宣言した。
今期(29年3月期)の業績予想は売上高が2.1%増の4兆6200億円、最終利益が16.7%増の6400億円。減価償却方法を変更するため、営業利益は16.2%増の9100億円(旧方式だと8600億円)と2年続けての大幅増をめざす。