復旧に手間取れば、世界的な風評被害の拡大も懸念される。東日本大震災では、被災3県(岩手、宮城、福島)における23年の外国人宿泊者数が、前年の3分の1未満に激減した。27年も震災前の水準には届いていない。韓国などからの訪日客は、東北から足が遠のいたままだ。
東洋大学の島川崇教授(国際観光学)は「東日本大震災では、拙速な対応が政府情報の信頼を落とし、風評を長引かせる結果になった」と警鐘を鳴らす。政府は今後、訪日客を呼び込む「攻め」の施策に加え、日本離れに対し「守り」を強化していく、“二正面作戦”を余儀なくされそうだ。(佐久間修志)