「内向き」国内家電の意識変わる契機 シャープ“身売り”が象徴するもの (2/3ページ)

2016.2.26 07:40

大阪市のシャープ本社(前川純一郎撮影)

大阪市のシャープ本社(前川純一郎撮影)【拡大】

 機構はシャープの白物家電事業に、東芝など他社の同事業を統合させる案を打ち出していたが、日立製作所が「海外で強いところとの統合でなければメリットはない」(中村豊明副社長)と参画を否定したように、各社の白物家電を“結集”して海外の大手との競争を優位に運ぶ構想には、疑問符がついていた。

 日本の家電産業について、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は「技術的な優位性を失い、労賃が安くコストを抑えられる新興国メーカーにかなわなくなった」と指摘する。

 家電のデジタル化や製造技術の進歩により、商品の機能で他社と差別化しにくくなったほか、流通企業の存在感が増したことで価格下落も進み、安定収益を上げることが難しい状況になっている。

 外資の新風で改革

 ソニーやパナソニックも、経営資源を重点配分しているのは電子部品や企業向けのビジネスだ。

不正会計問題で経営不振が深刻化した東芝は…

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