有機ELの開発・生産で先行しているのは、サムスン電子とLG電子の韓国勢だが、シャープも有機ELの技術を天理工場に蓄積しており、鴻海の資金力があれば供給者として参入できる。量産でコストを下げれば、十分に受注可能だ。
一方、有機ELは、日本の中小型液晶大手ジャパンディスプレイ(JDI)や、ソニー、パナソニックの有機EL開発部門を統合した「JOLED(ジェイオーレッド)」も研究に力を入れる。JDIは18年からスマホなど向けに量産を始める計画。日本勢と鴻海傘下で外資系企業となったシャープとの激しい競争も予想される。「郭会長は合理的で成果主義」(鴻海関係者)とされ、シャープの成果の出ない事業や人員は整理されることもあり得る。