10年国債の利回りがマイナスになったことで、安定的な資産運用はますます難しくなった。一方で、住宅ローンや企業向け融資の金利は一層の低下が見込まれ、設備投資や個人消費を活性化させる効果が期待できる。
株式市場では収益環境が一段と厳しくなるとの見方から銀行、保険、証券の売りが目立ち、大手証券の担当者は「日銀のマイナス金利導入決定による業績への悪影響など政策の副作用に投資家の焦点が当たった」と指摘した。
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【用語解説】長期金利
期間1年以上の貸し借りに適用される金利の総称。一般的には、新たに発行された満期までの期間が10年の国債が市場で流通する際の利回りを指す。住宅ローンや企業向け貸し出しの金利を決める目安となる。金利は「経済の体温」とされ、経済が高成長を続けている間は多くの企業などがお金を借りたがるため、上昇する。日本ではバブル景気が終わる1990年代初めまでは6%を超えることが多かったが、その後は低成長が長く続き、下がり続けた。