--地方の店舗の立て直しも大きな課題だ
「地方で2万5000~3万平方メートルの売り場を全て百貨店として維持するのは大きすぎる。面積の7割ぐらいを百貨店にして3割程度は新しい価値提案をする場に変えていきたい。一方で業績が悪い地方の店には、巨額の投資ができないので改装が進まず、結果として魅力ある店となっていないのも事実だ。一度にはできないが、エントランスや1階部分のみの改装など、集客を増やすための取り組みを検討していく」
--増えるインターネット通販(EC)と実際の売り場を統合するオムニチャネルの取り組みは
「ECの部分は売り上げが伸びている。販売サービスではさまざまな試みを行っていく。リアルと情報通信(IT)の境目がなくなってくるので、お客さまの利便性が高いものをつくる。ネット上のビジュアルディスプレーは改善の余地がある。ただ、人と人のつながり、実際の売り場ではスタイリストがきちんとおもてなしの接客をするということは変わりがない」
◇
【プロフィル】大西洋
おおにし・ひろし 慶大商卒。1979年伊勢丹(現三越伊勢丹)入社。営業本部立川店長、伊勢丹社長、三越取締役、三越伊勢丹ホールディングス取締役などを経て、2012年2月から現職。東京都出身。