■最高の「おもてなし」へ労働環境改善
--訪日外国人客の消費が昨年は大きく伸びた。今後の見通しは
「インバウンドに過度な期待をしてはいけないし、売り上げの目標をもってはいけないと思うが、売り上げが500億円、600億円の規模になってきているので、もう無視はできない。できるだけ早く市中空港型免税店を多く出して、そこで対応していきたい。増加する外国人客を既存の店舗や売り場で全て対応するのは無理があると思っている」
--国内個人消費の現状や見通しは
「景気の現状認識は率直に言って悪いと思っている。ただ、気温や経済情勢に売り上げが大きく左右されるのは売り場の力がまだついていない証拠。昨年11月は暖かくて冬物が売れなかったというが、寒ければ売れたのかという本質的な問題がある。1階が化粧品や婦人雑貨、2階から4階が婦人服というような百貨店の一般的な売り場の比率も考えないといけない」
--多くの店で初売りを2日から3日にずらした
「販売というのは非常に大変な仕事で、働く人のモチベーション次第で売り上げは10%や20%は変わる。労働環境を良くするという意味で定休日とかお正月を家族で過ごせるというのは大きい。まだ労働環境に満足している従業員は全体の半分ぐらいじゃないかと思うので、取り組みはまだまだ進める。労働環境が良くなることで、前向きな接客ができることで最高のおもてなしもできる」