--計画する発電とは
「太陽光や風力発電の供給量が需要を上回る恐れが生じた場合、発電事業者は時間単位の出力制御を行う必要が出てきた。このため『出力予測・把握技術の高度化』、『出力制御装置の標準化、低コスト化』などに取り組み、遠隔出力制御システムの早期開発を目指している」
--需給管理は難しいのでは
「現状では国内の太陽光発電の発電能力は2700万キロワット水準で、電力会社は太陽光の供給電力量が需要量と比べて多い場合、超過分を火力発電の出力抑制などで均衡させている。しかし、政府が買い取り対象としてすでに認定した発電設備の発電能力は8000万キロワットを超え、これが5年後に送配電網に供給されれば、今の需給調整システムでは対応が難しい。このため早期実用化が待たれる」
--4月からの電力全面自由化で事業環境は激変する。
「今までは供給側のプレーヤーが限られていたが、これからは新規参入が増え、状況は一変する。需要家が安定した電力を使えるようにIoTとクラウドを駆使し、需要家と供給者をつなぐパイプ役となりたい」(松田宗弘)
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【プロフィル】福田寿
ふくだ・ひさし 1988年九州大理学部卒、90年同大学院理学研究科修了。95年CRCソリューションズ(現伊藤忠テクノソリューションズ)入社。気象シミュレーションや解析などを経て2010年新エネルギー・インフラ事業推進部長、13年から現職。広島県出身。51歳。