ロッテホールディングス(HD)から不当に解任され、本来の報酬や退職金が受け取れなかったとして、創業者の重光武雄名誉会長(93)の長男で前副会長、宏之氏(61)が同社側に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が24日、東京地裁(小野寺真也裁判長)であった。宏之氏側は約6億2600万円を請求した。一方、同社側は「解任は正当だった」と主張する意向を明らかにした。宏之氏の請求額が明らかになるのは初めて。
訴状によると、宏之氏は長年、「ロッテ」や「ロッテ商事」など複数のグループ企業で社長や取締役を務めてきたが、平成26年12月と27年1月にいずれも任期途中で不当に解任され、任期満了までに支払われるべき報酬や退職金を受け取れず、損害を受けたと主張している。
ロッテHDをめぐっては創業者一族の間で経営権をめぐる内紛が起きており、武雄氏が「代表権を剥奪されたのは無効だ」とする訴えを東京地裁に起こすなど、日韓両国の裁判所で法廷闘争が続いている。