2015.10.3 05:00
東日本豪雨により鬼怒川からあふれた水で冠水した道路を走る車=9月10日、茨城県常総市【拡大】
ではどこまで改良すればよいかと問われると、データによる裏付けはないが、最近、セダンで冠水を走った経験から、クルマとして少なくとも40センチ以上は欲しいように思える。これまでの実力に対し、プラス10センチの余裕を持つことで、かなりの台数が水害から救えるのではないだろうか。
しかし、この設計要件を変えることはかなりの変更を要する。ガソリン車であれば、吸気口や排気口の位置を変更しなければならない。また、電気自動車の場合だと、電池パックの位置を大幅に上げることは難しいので、水が入ってこないように電池パックを防水構造とするとともに、シュノーケルのように特殊な構造が求められるのかもしれない。
いずれにしても、セダン系は厳しいので、もう少し余裕があるほうが現実に合っているように思われる。
◆現実を見ることの大切さ
このように考えてみると、以前は異常状態であると考えていたものが、現在ではそうとは言い切れないものも出てくる。ゲリラ豪雨、竜巻、停電、最高気温など、これまでとは想定外に過去の例を更新しているように思える。
例えば、2015年の最高気温は39.9度であり、クルマの仕様でいえば日本向けというより亜熱帯向け、もしくは砂漠なども含まれる中東向けも必要ではと思ってしまう。
さらに、最近では石油のサービスステーション(以下SS)の廃業が続いている。資源エネルギー庁では「SS過疎市町村数」として取りまとめているが、それによれば14年度末で、SSが3カ所以下しかない地域が283市町村もあり、毎年増加している。まさにSSに行くのに10キロも20キロも走らなければならない「ガソリン難民」が増加していることを示している。