福田尚久社長は「(セキュリティーが問題となり)自分たちの孫がインターネットを過去のものとして話す時代が来てしまうかもしれない」と、モバイル・インターネットの危機的状況とセキュリティー対策の重要性を強調する。日本がモバイル・インターネット・セキュリティーを世界的にリードしていくために、同社はモバイルIDS/IDPSのライセンスを他社にも無料で提供する考えだ。
日本通信のモバイルIDSは、いわゆるセキュリティーアプリではなく、本体内部の回路や装置などの基本的な制御を司るファームウェアの一部に組み込んで提供される。アプリではネットワークの全てを見ることができないためだ。しかし、Androidスマホのファームウェアとして提供するにはスマホメーカーの立場でGoogleの認証を受ける必要がある。三田聖二(さんだ・せいじ)会長は「発表時には言えなかったが、そのためにVAIO Phoneを作った」とVAIO Phone誕生の真相を明らかにする。3月の発表時にはVAIOブランドのスマホとして「期待はずれだ」と厳しい声もあったが、真の狙いは10年がかりで開発した「モバイルIDS」を搭載したオリジナル端末を作ることだったのだ。