大手コンビニエンスストアが、中堅コンビニを囲い込む動きが活発になっている。業界2位のローソンは31日、関東を地盤とする中堅のスリーエフ(横浜市)と資本業務提携に向けた協議に入ったと発表した。3位のファミリーマートも、東海などで展開する中堅のココストア(名古屋市)の9月中の買収を目指している。首位を独走するセブン-イレブン・ジャパンの追撃態勢を整えるには規模の拡大が欠かせないと判断しているためだ。
ローソンとスリーエフの発表によると、ローソンがスリーエフに5%程度を上限に出資する。出資額は数億円となる見込み。10月中に提携の詳細を決める。
両社はプライベートブランド(PB、自主企画)商品の開発や仕入れを共同で進めコストの削減につなげる。スリーエフ店舗は、ローソンには転換しない。
国内のコンビニ店舗数が5万店を超えるなか、コンビニ各社の新規出店余地は狭まりつつある。中堅各社も大手の攻勢で苦戦が続いており、中堅の店舗網を取り込みたい大手と、大手との連携で経営効率化を図りたい中堅との戦略的提携が広がっている。
ローソンは昨年12月、中国地方を中心に展開する中堅コンビニ、ポプラに5%出資。ファミマも、ココストアの買収交渉に加え、サークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスと経営統合に向けた協議を続けている。
一方でセブンは再編に距離を置く。品質にこだわった独自商品の投入などで顧客の支持を高め、平成27年2月期の1店舗当たりの1日平均売上高は65万5千円と他社の40万~50万円台を大きく引き離しているためだ。
ローソンやファミマは地域で強みを持つ中堅のノウハウも生かしながら1日当たりの売り上げを高め、それぞれの商圏でセブン追撃態勢を整えたい考えだ。