電子部品商社の黒田電気の臨時株主総会が21日、大阪市淀川区の同社大阪本店で開かれた。会場から出てきた株主によると、かつて「物言う株主」として知られた村上世彰(よしあき)氏ら4人を社外取締役にするよう求める株主提案は反対多数で否決されたもよう。
提案した旧村上ファンド系投資会社、C&Iホールディングス(東京)などは「利益の100%株主還元」「M&A(企業の合併・買収)による業界再編」などを主張。黒田電気側は「100%還元は手元資金が枯渇する」「安易な規模追求は業界動向を無視」などと反対していた。
総会会場には、C&Iの最高経営責任者(CEO)で村上氏の長女、絢(あや)氏らが出席したほか、一般株主も詰めかけた。
総会は報道陣に非公開で進められたが、絢氏は提案説明で「黒田電気のコーポレートガバナンス(企業統治)の改善、株主価値最大化を目指したい」と訴えたとみられる。
これに対して、黒田電気経営陣は「現在の社外取締役は3人で全取締役6人の半数を占め、コーポレートガバナンスは有効に機能している」と反論したものとみられる。