キリンホールディングス(HD)の磯崎功典社長は19日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、原料や製法にこだわって少量生産するクラフトビールについて、オーストラリアのビール子会社ライオンで生産販売する銘柄を国内でも取り扱う考えがあることを明らかにした。大量生産型のビールの需要が減少を続ける一方、個性豊かなクラフトビールの販売は伸びており、品ぞろえの充実が必要とみているためだ。
磯崎社長は「飲食店や量販店向けなどでクラフトビールの展開強化を検討している」と説明。豪州のビアパブで人気のクラフトビール「ジェームス・スクワイア」や「リトル・クリーチャーズ」を日本で扱う可能性があるとの認識を示した。
キリン傘下のキリンビールは現在、クラフトビールの品ぞろえとして、コンビニエンスストア限定の「グランドキリン」などをそろえるが「お客の好みに合わせて、バリエーションを広げたい」と述べた。
キリンHDによれば、日本国内のビール類総市場に占めるクラフトビールの構成比は1%未満という。ただ、磯崎社長は「世界の先進国では軒並み量産ビールが伸び悩む一方、クラフトビールは伸びている」と指摘。国内でも「メーカーが努力すれば、市場はさらに伸ばせる」と強調した。