東芝は18日、利益水増し問題を受け、社外取締役を現在の4人から7人に増やす新体制の概要を発表した。同時に、平成27年3月期連結決算の最終損益は赤字に転落する見通しになり、原子力や半導体事業の資産価値の見直しなどで1750億円の損失を計上することを明らかにした。
暫定的に社長を兼務していた室町正志会長は社長に専念する。経済同友会代表幹事の小林喜光氏(三菱ケミカルホールディングス会長)ら有力企業のトップ経験者や会計士、弁護士が社外取締役に加わり、経営の監視機能を高め、再発防止を図る。新体制は9月下旬に開催する臨時株主総会後に正式に発足する。
室町氏は18日夜、東芝本社で記者会見し、利益水増し問題に関し「皆さまにご迷惑とご心配をお掛けし、あらためて深くおわび申し上げる」と謝罪した上で、「危機を乗り越えたら後進に譲りたい」と述べた。
東芝は問題発覚前、27年3月期連結決算の最終利益は1200億円と示していた。今回、21年3月期から26年4~12月期に計2130億円の利益の修正が必要なことも明らかにした。税引き前利益が272億円だった22年3月期は100億円の赤字になる。
会長が務めてきた取締役会議長は、定款を変更して社外取締役が務め、伊丹敬之東京理科大教授が就任する公算が大きい。監査委員会、指名委員会、報酬委員会のそれぞれの委員長とメンバーは全員を社外とすることで独立性を確保し、内部統制を強化する。