2015.6.5 06:30
自動車業界をはじめとする国内製造業の間でフィリピンへの直接投資拡大の機運が高まっている。同国が1日、自動車産業振興策を打ち出したことで、安価な労働力や急拡大する消費市場を抱えるフィリピンでの事業の優位性が改めて見直された。
住友商事は同国の工業団地拡張の検討に着手し、日本貿易振興機構(ジェトロ)も自動車関連の中小メーカーを対象にした投資ミッションを派遣して進出を後押しする。
来日中のフィリピンのアキノ大統領は4日、東京都内で開かれた同国への投資セミナーで講演し、「フィリピンの製造業は復活しつつあり、今が投資の好機」と語り、自動車産業やインフラ分野などへの投資拡大を呼びかけた。同国政府はアキノ大統領訪日直前の1日に外資誘致を狙いに自動車関連企業への優遇政策を発表していた。
日比経済委員会の志賀俊之代表世話人(日産自動車副会長)は同セミナーで「今後は日本からの輸出よりも現地生産の割合が増え、雇用拡大にも貢献できる」と述べ、フィリピン政府の自動車振興策を歓迎した。