宅配便悩ませる「M字問題」 迫るトラックドライバー不足、どう乗り切るか (2/3ページ)

2015.4.19 07:00

宅配業界の生命線となるトラック輸送だが、ドライバー不足が物流業界全体で深刻化している

宅配業界の生命線となるトラック輸送だが、ドライバー不足が物流業界全体で深刻化している【拡大】

 日本郵便(JP)もグループ会社の日本郵便デリバリー(東京都中央区)で、朝と夕方の忙しい時間帯だけ働いてもらう「M字勤務」に着手している。週に3~5日、午前7時から正午までの5時間か、午後4時から8時までの4時間、あるいはその両方でもいい。軽四輪で「ゆうぱっく」の配達・集荷を行う仕事だ。このほか台車や電動アシスト自転車で回る平日だけのM字勤務もある。「女性を中心に短時間だけ働きたいという人が結構いてうまく機能している」(村田秀男広報室長)という。

 ドライバー不足

 “M字問題”は少しずつ改善されてきたが、すぐそこに迫っている課題もある。宅配便を支える中・長距離のトラック輸送に黄信号が点滅しているのだ。

少し前、トラックドライバーの「2015年問題」が話題になった。出所は国土交通省が2008年にまとめた「トラックドライバーの需要予測」で、ドライバーの確保努力がなかった場合、2003年から15年にかけドライバーは約8万人減り、全国で約15万人が不足するという試算だ。

 トラックのドライバーは、夜間の長時間勤務に加え、荷物の集荷や配達にともなう待ち時間が長い割に賃金水準が低い。即戦力になる経験者が優先されるため就業者は中高年の男性中心だ。13年の厚労省の調査によると大型トラックのドライバーの労働時間は2640時間(全産業平均2124時間)、所得額は416万円(同469万円)、平均年齢は46・2歳(同42歳)だった。

「ドライバーが数万人単位で不足することは否めない」とみている

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