IT化で消えゆくチョーク 国産老舗メーカーが3月に廃業 (3/3ページ)

2015.1.23 05:20

人気商品「フルタッチ」を手にする羽衣文具の渡部隆康社長=愛知県春日井市

人気商品「フルタッチ」を手にする羽衣文具の渡部隆康社長=愛知県春日井市【拡大】

 廃業決定後、全国の学校や予備校から問い合わせが相次ぐ。羽衣文具は注文に対応するため、チョークの生産終了時期を1カ月延ばし、ライバル企業「馬印」(名古屋市)に「フルタッチ」の製造方法を引き継いだ。

 馬印の加藤泰稔社長は「需要が復活することは難しいが、『書いて消す』というチョーク文化はこれからも日本で根強く残り、大切にしていきたい」と強調する。

 ■安価な海外製の流入

 国内チョークメーカーを取り巻く環境は徐々に厳しさを増しているようだ。公立学校へ納入する場合も、品質重視から価格重視傾向が強まり、単価が下落した。

 さらに中国から格安ショップなどで売られる安価なチョークも輸入されている。高品質を売りとする国内チョークは海外に輸出するほどの価格競争力もない。

 国内トップシェアの日本理化学工業(川崎市)の大山隆久社長は「海外輸出はゼロではないが、全体の1%にも満たない」と説明。主力のチョーク事業のほかにも「企業向けホワイトボード関連商品を増やすようになった」と経営方針の転換を模索する。

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