■チリの銅鉱山、早期にフル稼働実現
--2015年度は3カ年の中期経営計画の最終年度となる
「14年6月に中核の石油精製販売・石油開発・金属3社の社長が一斉に交代し、うまくいっている手応えはある。14年の原油価格の急落や円安は想定できなかったが、今後はこれまで取り組んできた戦略的投資プロジェクトのリターンが見込める。在庫評価影響を除いた実質経常利益を4000億円以上とする当初の計画を確実に達成したい」
--海外のプロジェクトの進み具合は
「韓国のSKグループと組んだパラキシレンプロジェクト、エクソンモービルなどと協力したパプアニューギニアの液化天然ガス(LNG)プロジェクトは順調にスタートした。チリで三井金属、三井物産と開発を進めるカセロネス銅鉱山もすでに生産を開始している。当初は14年夏にフル稼働の予定だった。設備トラブルなどで遅れたが、早期のフル稼働を実現したい」
--今後の海外の注目プロジェクトは
「米テキサス州で、W・A・パリッシュ石炭火力発電所から出る二酸化炭素(CO2)を回収して、パイプラインで運び、ウェスト・ランチ油田に圧入して生産量を20倍に増やす事業を三菱重工業と行う。回収プラントは16年に完成する予定だ。米国はCO2の排出規制が強くなっており、大きなビジネスチャンスだ。日本の技術を使って、海外の環境対策に貢献できる」