ビール大手4社の2014年1~9月期連結決算が6日、出そろった。夏場の天候不順や4月の消費税率引き上げによるマイナス影響はあったものの、第3のビールなどが好調だったサントリーホールディングス(HD)とアサヒグループHD、サッポロHDは増収を確保。一方で、第3のビールや清涼飲料水が他社に売り負ける格好となったキリンHDは減収となり、通期の業績見通しも下方修正するなど苦戦ぶりが鮮明となった。
この日発表したサントリーは、米蒸留酒大手のビームを買収した効果に加え、価格が高めの特定保健用食品(トクホ)の緑茶飲料や高級ビール(プレミアムビール)、第3のビールの販売が好調で、売上高と営業利益が中間期の過去最高を更新した。ただ、前期に子会社の上場に伴う特別利益を計上した反動で最終利益は減少した。
アサヒは第3のビール「クリアアサヒ」が好調で、最終利益で過去最高を更新。サッポロは発泡酒「極ZERO(ゴクゼロ)」が堅調だったものの、極ZEROを第3のビールから発泡酒に区分変更したことに伴う酒税の追加納付が響き、最終赤字となった。