そろそろ鍋が恋しい季節。この冬はどんな傾向があるのか気になるところ。今年は、消費税増税の影響もあったが、昨年からの好景気ムードも残っており、部分的に節約するメリハリのある消費行動がうかがえる。普段のランチ代は切り詰めるものの、外食にはプレミアム感や“プチ贅沢(ぜいたく)”な気分を求めるというわけだ。こうした、ワンランク上のメニューを求める意識は鍋料理にも及ぶ。
ぐるなびが一般ユーザーを対象に「この冬食べてみたい鍋」について聞いた調査でも、84.4%の人が「プレミアム鍋」を支持し、選択肢の中でトップ。また、食べてみたいプレミアム鍋の食材を聞いたところ、1位「カニ」、2位「フグ」、3位「フカヒレ」との結果に。昨年からの肉食ブームが一巡し、高級海鮮へ目先が移った格好だ。1位となったカニは、高級食材の中でも冬に旬を迎える代表的な一品。種類はさまざまあるものの、カニ自体が高タンパク・低カロリーなだけに、高級かつヘルシーなプレミアム鍋になる。
実際の飲食店メニューにもその傾向がみられる。さまざまな業態の人気店を多数運営するダイヤモンドダイニング(東京都港区)広報部の亀田泰子さんによると、今年は海鮮系の鍋メニューが増えているという。なかでもおすすめなのが、カニ専門店「かに地獄」(東京都港区)の「かに鍋」。冬の味覚の王様ともいえるカニは、やはり目玉といえる存在。「毎年、かに地獄では、カニをメーンにした鍋料理を出していますが、今年はズワイガニを丸ごと一杯とタラバガニを使った贅沢なメニューを打ち出しました。消費税増税はありましたが、引き続き外食に行くならいいものを食べたいという傾向はありますので、インパクトと高級感を意識しました。味付けはカニから出るだしのおいしさを感じていただけるようシンプルに塩味で仕上げています」