ベネッセホールディングス(HD)の原田泳幸会長兼社長は28日の新施設発表会で、個人情報流出問題を受け、停止していた新規顧客獲得の営業活動を「11月から再開させる」方針を示した。すでに経済産業省に再発防止策を提出したほか、流出した通信教育「進研ゼミ」などの会員へのおわびの通知もほぼ終了したことから、営業体制を通常に戻す。
ベネッセHDは31日に、2014年9月中間連結決算を発表し、現在未定としている通期業績を修正して公表する。原田会長は「7~9月については会員退会が例年よりも20%程度少ない」現状を説明し、ダイレクトメールなどの新規会員獲得の営業活動がなくても、「通常の4割程度の新規会員を獲得できた」と語った。このため、年間300億円規模の新規会員獲得コストの効率活用を進めるという。
また28日、既存会員向けに教育関連のコンサルティングサービスを提供するため店舗「エリアベネッセ」を展開すると発表。11月1日に東京・青山(港区)と西葛西(江戸川区)の2店舗をオープンし、来春には全国500店舗で展開する。新規会員獲得費用の一部60億円を活用する。