撥水加工を施すにはノウハウこそ必要だが、特殊な装置は必要ないという。現地で加工を施せるようになれば、加工費用は1トン当たり数千円に抑えられるとみている。
「地球温暖化や過剰開墾によって、陸地の4分の1で乾燥地化が進んでいるとされる。この技術が問題解決に役立てば」。美濃氏はそう強調する。
水不足解消にも一役
魔法の砂の応用可能性はそれだけにとどまらない。
道路の下に敷けば、長時間水を蓄え、路面温度を低く保てるため、ヒートアイランド効果を抑制できる可能性がある。砂粒の隙間を気体だけが通り抜ける性質を利用し、水蒸気だけを通す仕組みを海水淡水化設備に取り入れれば、水不足解消に一役買いそうだ。