パナソニックが開発「魔法の砂」、乾燥地の農地化で威力 食糧問題解決に道 (3/5ページ)

2014.10.27 07:12

パナソニックが開発した撥水砂。水をかけても染み込まないのが分かる

パナソニックが開発した撥水砂。水をかけても染み込まないのが分かる【拡大】

  • 実験農園で栽培したトマトの収穫量は40%増えた

 その後、材料の改良で対応するようになり、いったん出番を失ったものの、同社の基礎研究を担う先端研究本部の美濃規央(みの・のりひさ)主幹研究員が粘り強く地道に研究を続け、応用可能性を探ってきた。

 美濃氏は、この技術が農業に役立てられると考え、京大大学院農学研究科に相談。「雨水を保持できるだけでなく、塩害防止にも役立つのでは」とアドバイスをもらい、2010年に試験農園で農作物の栽培実験を始めた。

 この試験農園は、土の中に傾斜のある撥水砂の層を設け、その上に配水管を通してある。傾斜をつけたのは、撥水層がせき止めた水をタンクで回収し、栽培に再利用するためだ。この仕組みを適用すれば、乾燥地帯でも、塩害を防ぎつつ、わずかな雨量で栽培できる。

 しかも、回収した水は肥料を含んでいるため、「肥料の節約や収穫量の増加も期待でき、肥料の排出による環境悪化まで防止できる」(美濃氏)という。昨年行ったトマト栽培では、収穫量が40%ほど増えたという。

撥水加工を施すにはノウハウこそ必要だが、特殊な装置は必要ない

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。