西武ＨＤ、上場後初の株主総会「新たな成長ステージに」　サーベラスから質問なし

　西武鉄道やプリンスホテルなどを傘下に持つ西武ホールディングス（ＨＤ）は２５日、埼玉県所沢市で定時株主総会を開いた。４月２３日に東京証券取引所第１部に上場して以降で初めての総会。後藤高志社長は「企業価値や株主価値の向上に引き続きスピード感を持って取り組んでいく」と語った。一方、昨年まで経営方針をめぐり対立していた筆頭株主の米投資会社サーベラスからの質問や意見はなかった。

　株式市場への復帰は約９年４カ月ぶり。後藤社長は「西武グループは新たな成長ステージに入った。このタイミングでの上場はいい形だ」と述べた。また、広大な敷地を持ち、４軒の大型ホテルを展開する高輪・品川エリアの再開発については「最大の地権者の１人として、このエリアの将来的な成長性に対して前向きに参加している」とした。

　サーベラスは西武ＨＤ株の３５．４５％を保有するが、主幹事証券の同意なしには１０月１９日まで保有株を売却できない。

　会場に出席した株主は４４８人で、経営の主導権をめぐり西武ＨＤ経営陣とサーベラスが対立した昨年（９４０人）に比べて半分以下となった。取締役８人の選任など会社提案の６議案を原案通り可決した。