三井化学の子会社で農薬製造・販売の三井化学アグロは11日、欧州化学最大手の独BASFと新規殺虫剤の共同開発契約を締結したと発表した。従来の殺虫剤や農薬への耐性が高い蛾やイネミズゾウムシなどチョウ目やコウチュウ目の害虫を駆除できる新型殺虫剤を開発し、2016年内に日本での登録申請を目指す。その後、順次各国での登録申請を進め、市場拡大が予想される海外の農薬市場に向けて事業拡大を図る。
新開発する殺虫剤(MCI-8007)は、両社のノウハウを活用し、既存の殺虫剤に抵抗性を持つ害虫に有効な成分を配合。トウモロコシやイネなどの農作物を荒らす害虫のほか、生活環境で問題となるシロアリやゴキブリなどの駆除にも対応する。今回の契約により、三井化学アグロは同殺虫剤の製品化に関しても独占的な実施権を保有する。