2014.4.7 05:36
■【開発物語】≪STORY≫
グリコ乳業の新感覚飲料「AWARICH(アワリッチ)」。競合相手の多いチルドカップ分野で、「ストローで吸えるホイップクリーム」という独自技術を駆使し、泡の食感を楽しむという価値を提案した。
アワリッチは、クリームとカフェゼリーが混ざり合い不思議な食感が楽しめるデザート飲料「Dororich(ドロリッチ)」(2007年発売)の技術を生かした“進化形”の姉妹ブランドだ。
12年5月、同社マーケティング本部傘下の商品開発研究所や、技術開発部の部署などから約10人が集められた。ドロリッチの売り上げが落ち込んでおり、起死回生の新機軸を打ち出そうと、経営トップの特命を受けたプロジェクトチームが結成されたのだ。
メンバーの一人、同研究所洋生菓子グループの川口亜紀子さん(30)は「スプーンですくって食べるホイップクリームをストローで飲めるようにする、というのがミッションだった」と振り返る。大きな技術改革を要する新商品の開発は通常、2~3年以上かかるとされるが、特命チームはホイップクリームの自社開発を含めわずか5カ月間で新商品の発売にこぎつけた。