米グーグルの基本ソフト(OS)「クローム」を搭載したノート型パソコン(PC)が早ければ4月にも、日本で初めて販売されることが7日、分かった。東芝が「クロームブック」を発売する。国内のPCでは米マイクロソフトのOS「ウィンドウズ」が圧倒的な優位を保っているが、“グーグルPC”がこの勢力図を塗り替えることができるか注目される。
パソコン市場をめぐっては、世界的な需要低迷に加え、中国や台湾メーカーが価格競争を仕掛けている。東芝は安くて使い勝手もいいクロームブックによって、中台勢への巻き返しを図りたい考え。東芝の戦略が当たれば、他の日本勢も追随する可能性がある。
クロームブックは、内蔵の記憶装置の容量を小さくしたことで、先行販売されている米国では2万~3万円程度と割安。ソフトウエアが内蔵されたパソコンとは異なり、インターネット経由でメールや文書作成、表計算が利用できる。
米調査会社ガートナーによると、PCの2013年の世界出荷台数は前年比10%減の3億1590万台。スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末に利用者が流れ、過去最大の落ち込み幅を記録した。
市場をリードする中国や台湾メーカーが価格競争を仕掛ける中、東芝のパソコン事業は今期、最終赤字に転落する見通し。同社は法人向け販売の拡大や固定費削減に取り組む一方、割安なクロームブックの投入で、新規需要を見込む。