オーストラリアで22日に始まる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でテーマとなる見通しの新興国経済などを、元日銀理事の平野英治・トヨタファイナンシャルサービス副社長に聞いた。
--通貨急落などの新興国の混乱をどうみる
「日米欧の超緩和政策が世界の金融市場を押し上げてきた恩恵で、新興国は高成長を続けてきたが、その揺り戻しという面がある。それにしても、市場が中国リスクなどのニュースに過剰に反応し過ぎているようだ。新興国が成長力を落としても、先進国を中心とした世界経済の回復シナリオが崩れるとは思わない」
--中国の経済指標に世界の投資家が敏感になった
「リーマン・ショック以降の世界の需要を中国が支えてきたという面が意識されている。世界の鉄の需要の半分は中国だとさえいわれ、中国の成長率が少し落ちるだけで鉄の価格下落が連想され、資源国の株価が下がる。中国政府は今のところ安定的な経済運営をしているが、『影の銀行(シャドーバンキング)』などの問題は根深く、注視しなければならない」