合繊メーカーが、独自の高機能繊維を使ったランナー向けの商品に注力している。ランナー人口が増加する中で、ランナー向け製品の市場拡大を見込み、工夫を凝らしたアイテムをアピールしている。
「ソックスや靴の中敷き、靴紐(ひも)などに使われる、滑りにくさが特長の素材があります」
髪の毛の7500分の1
帝人のエンジニアリングファイバー部でナノフロントチームリーダーを務める拝原知英さんがこう話す。同社の高機能繊維「ナノファイバー」は、髪の毛の7500分の1に相当する0.7マイクロメートルの細さで、2008年から商業展開されている「最先端の戦略素材」。滑りにくいのは「繊維が細い分、接着面積が大きくなるのでグリップ感が強くなるため」(拝原さん)だ。