インドネシアの二輪車販売市場が持ち直している。2011年に過去最高の804万台を記録した後、12年はローン購入の頭金規制などが響いて706万台に急落したが、13年は前年比9.6%増の774万台まで回復した。インドネシアは、中国、インドに続く世界3番目の二輪車市場。今年は過去最高を更新する可能性もある。
◆選挙で消費上向き
13年は、メーカー別でホンダがシェア60%を超える469万7000台を販売、前年比で約15%増となり同社過去最高を更新した。2位以下はヤマハが32%、スズキが5%で販売シェア上位3社の順位は変わらなかった。
昨年は、前年の頭金規制をイスラム法に基づいた金融にも適用したことやガソリン価格の値上げ、通貨ルピア安によるコスト増など、マイナス要因が多かったが、前年に販売が急落した反動もあり、大幅に回復した。今年も金利の上昇やルピア安が続く見通しなど、厳しい販売環境が続く。
ホンダの現地製造販売法人アストラ・ホンダ・モーター(AHM)の井沼俊之社長は、市場見通しを760万~810万台と幅広く設定しており、過去最高となる可能性がある一方、昨年を下回る展開もあるとみている。
ただ、需要増や最低賃金の大幅引き上げによる市民の購買力上昇のほか、今年は4月に総選挙、7月に大統領選挙を控え、関連支出が増えることが見込まれ、消費が上向く見込みがあることは好材料だ。
ホンダは昨年、平時の年間生産能力420万台を大幅に上回る需要に対応すべく、休日出勤などで増産した。
今年は年央にも第4工場が稼働する。まずは55万台の生産ラインを1本、さらに年末には同規模のラインを立ち上げ、年産530万台体制を整える。新製品の投入なども進め、昨年を上回る販売を目指す。1国のメーカー別二輪車販売では世界初となる500万台超えも視野に入れている。