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昨年、新車販売台数が6年ぶりに1500万台を回復した米国では、韓国の現代自動車が2・5%増にとどまった一方、トヨタ自動車が7・4%増、ホンダが7・2%増と健闘した。国内大手の幹部は「為替が同水準であれば、技術で勝る日本勢が優位に立つのは当然」と話す。電機業界でも、サムスン電子の13年10~12月期の連結営業利益が前年同期比6・1%減と2年ぶりの減益となった。ウォン高を背景にスマートフォン事業の収益悪化が響いたためだ。
今後の為替動向について、第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストは「米国の量的緩和の縮小により円安基調が続くとみられ、円は対ウォンでも円安方向に動きやすい」とみる。
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ただ、日本メーカーは円高を受けて生産の海外移転を加速したため、円安による輸出押し上げ効果は限定的だ。韓国勢も海外生産を進めており、「円安・ウォン高が進んでも打撃は限られる」(業界関係者)との声も根強い。
為替変動リスクへの対応策が進む中、今後の日韓の市場競争について、熊野氏は「メーカーは革新的な製品開発力が一段と問われている」と指摘している。