【午年に翔ける】東京海上ホールディングス社長・永野毅さん(61) (1/2ページ)

2014.1.4 05:00

永野毅さん

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 ■「生きるリスク」への商品開発に注力

 --損害保険業界の置かれている経営環境は

 「東日本大震災以降、個人も企業もリスク感覚がとても鋭くなった。日本が高齢化や社会保障制度の問題を抱え、『生きるリスク』への対応で自助努力の必要性も出てくる。そこでお手伝いできる領域をきめ細かく探る中にビジネスチャンスが見えてくる。収益性を確保するバランスのよいポートフォリオ(事業構成)を築く取り組みと、新商品やM&A(企業の合併・買収)を含め、大胆に新たな市場を切り開いていく努力の両面が求められている」

 --就任から半年。グループ経営の観点で手応えは

 「グループ経営は『遠心力』と『求心力』の両方が重要だ。つまり、傘下の会社に任せる部分と、持ち株会社がグループ横断で取り組むべき部分のバランスをとること。傘下には損害保険会社、生命保険会社、介護などの事業会社、海外の買収企業もある。赤字だった会社の損失解消が進み、収益改善が進んだ。海外の買収会社は経営理念の共有などを一段と進めている」

 --海外のM&A戦略について

 「相手がしっかりしたビジネスモデルを持ち、収益性が高く、経営陣が健全で理念が共有できるという3要件で買収先を考えている。アジアの利益比率を高めたいと思っているが、条件にかなう案件に巡り合えれば少々の地理的な(買収企業の)偏りは問題ではない。ただ割高な買収とならないよう注意深く検討する考えだ」

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